株式会社WGD京都様は、京都を拠点に伝統工芸の作り手と現代デザインをつなぎ、その魅力を世界へ発信することを目的として2006年に設立されました。
長い歴史の中で育まれた"手仕事の美"を、現代の生活の中で活きるアイテムとして再定義し、多様な作家とともに商品開発・販売を行うというユニークな事業モデルを展開されています。

その中核となるホームページの刷新とECプラットフォームの整備を目的として、今回のプロジェクトが始まりました。

ご相談の背景：分散していた価値を、一つの場所に

以前から弊社で撮影をお願いしていたカメラマン様が同社の運営に参画されたことをきっかけに、デザイン・実装品質ともに信頼できるパートナーとして、弊社にサイト構築をご依頼いただく運びとなりました。

本プロジェクトでは、コーポレートサイトとEC機能を融合させ、商品そのものの魅力はもちろん、作り手の想いも発信できるサイトを目指しました。

制作のポイント：作家の手仕事を、余白と構成で魅せる

伝統工芸は、技術と感性の融合によって生まれる芸術のような存在です。
そのため、商品を"売る"ためのECサイトであると同時に、"伝える"ためのメディア的役割も求められました。

デザイン・UIの工夫

• ホワイトベースで、商品写真を引き立たせるミニマル設計

• 汎用WordPressテーマをカスタマイズし、コストを抑えながら高級感を演出

• 商品詳細ページでは、写真を大きく配置し、細部の質感や工芸特有の表情が伝わる構成

• 作家インタビューコンテンツも随時追加できる構造で、ストーリー性のある購入体験を実現

また、文字や背景のトーンも可能な限り"静かに語りかける"印象になるよう調整し、伝統工芸品にふさわしい空気感をサイト全体で表現しました。

実装と運用性：将来を見据えた拡張と多言語対応

EC機能については、弊社で数多くの構築実績がある「WooCommerce（WordPressベース）」を採用。
商品の登録・在庫管理・注文処理など、基本機能を無理なく運用できるよう管理画面を調整しました。

また、多様な国籍の観光客・購入者を想定し、ネイティブ翻訳による多言語表示もあらかじめ実装。
機械翻訳であることを前提としつつも、「国や言語の壁を越えて"京都の美"を伝える」というブランドのビジョンをWebでも反映しています。

さいごに：伝統を繋ぎ、未来へ届けるECサイトへ

本プロジェクトを通じて、私たちが最も意識したのは、職人や作家の"声"が聞こえるようなWeb体験をどう作るかという点でした。
商品の背景にある技術、文化、想いを丁寧に届けることこそ、京都の伝統工芸を未来へつなぐ鍵だと考えています。

単なるオンラインショップではなく、「誰が」「どのように」作っているのかが伝わるECサイト。
WGD京都様がこれからも多くの方に"本物の工芸"との出会いを届け続けられるよう、私たちも引き続き支援してまいります。