SGギャラリー(スタジオグラフィックスギャラリー)
株式会社スタジオグラフィックス
東京都中野区
写真投稿型コミュニティの全面リニューアル。 10年の資産をWordPressで再構築。
「SGギャラリー」は、写真好きなユーザーが自身の作品を投稿し、他のユーザーと交流できる写真投稿型のコミュニティサイトです。
2016年にフルスクラッチで開発されたこのサイトは、10年にわたり15万点以上の写真が投稿されるなど、多くのユーザーに親しまれてきました。
今回、旧システムの経年劣化やサーバー運用コストの高騰といった課題を解決するため、WordPressによるサイト再構築をご依頼いただきました。
ご依頼の背景:フルスクラッチからWordPressへのリプレース
長期的な運用により、旧システムではいくつかの問題が顕在化していました。
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フルスクラッチで構築されたシステムの保守に専門的な技術が必要
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スマートフォン表示やSEO対策が不十分
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管理画面やUIが古くなっており、新規ユーザーにとって直感的でない
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拡張機能の追加が難しく、運用コストが高止まりしている
- 利用しているサーバーの老朽化
これらを解消するため、今回はWordPressをベースとした再構築を選択。以前は実現が難しかった「多機能なユーザー投稿+交流型サイト」も、近年の幅広いカスタマイズ性と柔軟性を叶えたWordPressエコシステムの進化により対応可能となったのが大きな要因です。
使用テーマと設計方針:コストを抑えつつ高機能なコミュニティを実現
デザインは既存の汎用テーマを活用しつつ、投稿写真が美しく見えるように最適化。ユーザーにとっての「使いやすさ」「読みやすさ」を重視し、写真が映えるシンプルなレイアウトを維持しました。
また、モバイルファーストの観点から、レスポンシブ対応も徹底。ユーザーの多くがスマートフォンからアクセスしていることを踏まえ、画像の読み込み速度やスクロール導線などにも細かく配慮しています。
投稿・交流データの移行:15万点の写真とリアクション情報を再現
今回の最大の難所は、旧システムからのデータ移行です。10年間で投稿された約15万点の写真には、それぞれ「拍手ポイント」「お気に入り」「コメント」、さらには投稿ユーザーのプロフィール情報など、複雑な関連データが紐づいていました。
これらを正確にWordPressへ移行するため、以下のようなステップを踏みました:
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独自DB構造からWordPress互換の形式へデータマッピング
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分割処理によるバッチ移行と、整合性の検証
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投稿メディアの自動変換、URLの維持による被リンクの保全
この結果、既存ユーザーの投稿履歴やリアクション情報を損なうことなく、新環境へと引き継ぐことに成功しました。
SEO対策とユーザー導線:投稿が検索結果に自然にヒットする構造へ
旧サイトではSEOの基本構造(タイトルタグやメタ情報の最適化など)が不十分で、投稿が検索エンジンに十分拾われない状況が続いていました。
今回のリニューアルでは、以下の点に注力しました:
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投稿タイトルをHTMLタイトルタグへ自動反映
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カテゴリやタグの最適化による関連性向上
- サイトマップの自動生成と構造化データへの対応
これにより、ユーザーが投稿した作品がGoogleなどの検索エンジンでより見つけやすくなり、新規ユーザーの流入や投稿モチベーションの向上も期待できます。
今後の展望:コミュニティの拡張や新機能の追加へ
システム基盤が整ったことで、今後はさらなる機能追加の可能性が広がっています。たとえば:
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ユーザー同士のサークル機能によるコミュニティ活性化
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月間ランキングや特集機能によるコンテンツの見える化
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外部SNS連携によるシェア拡散力の強化
これまで蓄積された大量のコンテンツ資産と、ユーザーとのつながりを大切にしながら、新たな写真コミュニティの未来を創っていく──その基盤となる第一歩が、このWordPressリプレースプロジェクトでした。