国立研究開発法人 国立循環器病研究センター
大阪府吹田市
- 担当業務
- CMS実装 / コーディング / ディレクション / デザイン
- サイトURL
- https://www.ncvc.go.jp/
医療と研究の知を、すべての人に届ける。 全国規模の高度医療研究機関における、CMS移行と大規模サイト再構築プロジェクト
心臓や脳といった循環器疾患の最先端医療と研究に取り組む、国立研究開発法人 国立循環器病研究センター。
日本を代表する高度専門医療施設として、全国の医療従事者や研究者、そして一般の患者・市民から高い信頼を得ている中核機関です。
今回のプロジェクトは、そんなセンターが大阪府吹田市に新病棟・研究施設を移転するタイミングで行われた、公式ホームページの全面刷新事業。
弊社としても創業以来初となる大型案件として、企画提案、CMSの構築、データ移行、UI/UX再設計まで、一貫して取り組ませていただきました。
ご相談の背景:病院移転、サーバー移設、CMS変更――複合的な変革期におけるWeb再構築
本案件は、施設移転と同時に進行した、サーバー環境の刷新とCMSの移行が重なったタイミングでのプロジェクトでした。
旧サイトは、Movable TypeをベースとしたPowerCMSで運用されており、病院・研究・採用・診療情報・患者支援など、多岐にわたるコンテンツが存在していました。その総ページ数は約2,000ページ以上。
これをWordPressベースの新環境へ完全移行しながら、同時にユーザー視点での情報整理とサイト構造の見直し、さらに職員による多人数運用に適した権限管理と同期環境の構築が求められました。
単なるWeb制作の域を超え、情報資産の再設計と、安定運用のための基盤整備が必要とされる、高度なプロジェクトでした。
制作のポイント:企画から実装、研修・セキュリティ対応まで一貫支援
プロジェクトは、入札段階からの企画提案書の作成にはじまり、採択後は以下のような領域をすべて自社で担当いたしました:
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情報設計・UI再設計(カテゴリ再編、導線設計)
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WordPressベースでの大規模マルチサイト構築
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PowerCMSからのデータ移行処理(2,000ページ超)
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更新環境と公開環境の自動同期
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権限別アカウント設計
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Webアプリケーション脆弱性診断(セキュリティ対応)
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コンテンツ管理マニュアル整備・操作研修実施
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写真撮影およびコンテンツ支援
とくにポイントとなったのは、使いやすく、高機能な管理環境の構築。
各部門で必要に応じてページを作成・更新できるように、権限を細かく分けた上で、ブロックエディタを活用した柔軟な編集UIを実現しました。
情報発信とユーザビリティの再設計
従来のホームページでは、膨大な情報が存在していたにもかかわらず、目的の情報にたどり着きにくい構造となっていました。
そこで、病院を利用する一般の患者様向けには、年齢層に配慮した視認性とナビゲーション構造を見直し、医療関係者・研究者向けには、学術的な検索性や業務効率を重視した構成を採用。
トップページや各部門の導線では、「病気を探す」「診療科を探す」「研究活動を見る」など、ユーザーの目的から情報にたどり着ける流れを重視し、情報の取りこぼしや迷いを極力排除する設計としました。
さいごに:国家規模の医療知を支えるデジタル基盤として
このプロジェクトは、単なるホームページの構築にとどまらず、情報インフラとしての信頼性・拡張性・運用性を高水準で求められるものでした。
私たちはその要件を丁寧にひも解きながら、使う人・届けたい人、そして発信する人、それぞれの立場に寄り添った設計と構築を行いました。
創業以来初となる大規模入札案件を通じて、「医療・研究・患者」の三者をつなぐWebの可能性を改めて実感しました。
国立循環器病研究センター様のような、社会的責任の大きい機関の情報発信基盤に携われたことを、私たちの誇りとしています。