新潟市、敦賀市、舞鶴市、豊岡市、加賀市、佐渡市――
それぞれが独自の歴史や文化を育んできた日本海沿岸のまちが連携し、ひとつの観光ルートとしての魅力を発信するプロジェクトが「日本海縦断観光ルート・プロジェクト」です。

この取り組みは、複数の自治体が協力し、日本海沿岸に点在する地域資源を可視化し、相互に高め合うことで、観光による地域活性化を目指す広域連携の施策として立ち上げられました。

ご依頼の背景と目的

本プロジェクトは、「日本海縦断」という壮大なテーマを軸に、日本海側の都市の魅力を視覚的かつ感覚的に伝えることを目的としていました。
それぞれの市が独自に発信するのではなく、ひとつのWebメディアとして統一感のある世界観を持たせ、旅行者の心に響くビジュアルで展開することが、当初からの要件でした。

また、観光・地域振興のプロジェクトではありますが、複雑なデータ連携や交通・周遊機能は対象外であり、あくまで"イメージ訴求によるPRを担うビジュアルコンテンツ"として構築する方針となりました。

デザインのこだわり：「女子旅」を軸にした、見る楽しさ

今回のターゲットユーザー像は、旅に感度の高い20〜40代の女性。
そのため、全体のデザインコンセプトは「やわらかさ」と「楽しさ」。

• 各都市の魅力を表現した手描き風イラスト

• CSS・JavaScriptによるアニメーション演出で、ユーザーの視線を自然に誘導

• 写真と文字情報のバランスを意識し、視覚的に旅気分をかき立てる構成

これにより、観光地の情報そのものだけでなく、そこにある「時間」「空気」「物語」を感じ取ってもらえるよう意識したサイトに仕上げました。

実装方針：CMSを使用しない、軽量な静的構築

運用体制や更新の頻度を考慮し、すべて静的HTML・CSS・JSベースで構築しています。
これにより、

• 表示速度の向上（とくにモバイル環境での閲覧性）

• 想定されたスケジュール内での構築

といった効果が得られました。
また、CMS非導入であっても、ソース構造や命名規則は整備された形で納品し、将来的な改修や展開にも柔軟に対応できる構成としました。

さいごに

「日本海縦断観光ルート・プロジェクト」は、特定の地域にとどまらず、広域にまたがる自治体が"共通の旗印のもとに連携する"という新しい観光PRの形でした。
それぞれのまちが持つ空気感や、歴史、文化をやわらかく包み込むサイトデザインは、短期間の構築ながら高クオリティのものと自負しています。