Movable TypeとWordPress、どちらを選ぶべき?
~サイト運用を見据えた、Web制作会社リアライズのCMS選定の考え方~
Movable TypeとWordPressの違いを徹底解説。
企業・自治体・ECサイト──それぞれに最適なCMSを選ぶための判断基準を、Web制作会社リアライズがわかりやすく紹介します。
自社サイトをリニューアルするとき、最初に悩むのが「CMSをどれにするか?」という点です。
日本で広く使われているのが Movable Type(ムーバブルタイプ) と WordPress(ワードプレス)。
いずれも実績のあるCMSのため、「どちらを選ぶべきか迷う」という声もよく聞かれます。
この記事では、両方のCMSを長年扱ってきたリアライズが、目的別に選ぶための考え方を整理しました。
セキュリティ、拡張性、コスト、運用体制──それぞれの観点から比較し、失敗しないCMS選定のポイントを解説します。
目次
- WordPressの特徴と選ばれる理由
- 5つの比較ポイントで見る、両CMSの違い
- CMSを選ぶ前に整理しておくべき3つの視点
- リアライズが考える"適材適所"のCMS選定
- まとめ:迷ったら"運用"を基準に選ぶ
CMSとは?Movable TypeとWordPressの基本
CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)は、ホームページの更新・管理を効率化するための仕組みです。
HTMLやCSSなどの専門知識がなくても、管理画面からテキストや画像を入力するだけでページを作成できます。
この仕組みにより、社内の担当者でも簡単に情報を発信できるようになり、ホームページの運用が一気に身近になりました。
特に日本では「Movable Type」と「WordPress」が2大主流。
前者は2000年代初期から企業・自治体で多く採用されており、安定性・セキュリティ・商用サポートが特徴。
後者は世界で最も使われているCMSで、拡張性・コストパフォーマンス・情報量の多さが強みです。
どちらも優れていますが、「どんな目的で」「誰が運用するか」によって最適な選択は変わります。
CMS選びはツール比較ではなく、組織の運用設計に合うかどうかを見極めることが重要です。
Movable Typeの特徴と選ばれる理由

Movable Typeは日本発のCMSとして長い歴史を持ち、官公庁・自治体・大学・大企業など、 信頼性と堅牢性を重視する組織で多く導入されています。
最大の特徴は「静的生成」。
ページを公開するとサーバー上にHTMLファイルが出力されるため、ページ表示時にデータベースを呼び出す必要がありません。
結果として負荷が軽く、トラフィックが集中しても安定して表示され、セキュリティリスクも低減されます。
もう一つの魅力は、商用ライセンス製品であること。
ベンダー(シックス・アパート社)からのサポートを受けられるため、 脆弱性対応やバージョンアップ時のリスク管理がしやすい点も、企業・公共機関に選ばれる理由です。
リアライズでも、公的機関などで、「改ざん対策を徹底したい」「長期運用を安定させたい」といった案件で多く採用しています。
また、テンプレート設計の柔軟性あり、大規模サイトにも対応可能です。
WordPressの特徴と選ばれる理由

WordPressは、世界のホームページの4割以上を支えるオープンソースCMSです。
無料で導入でき、デザインテーマやプラグインの数が圧倒的に多いため、スピーディーな開発と柔軟な拡張性を実現します。
特に、コーポレートサイトやECサイト、採用サイトなど、更新頻度の高いサイト運用に適しています。
管理画面の使いやすさや、社内担当者でも操作しやすいUIが魅力で、 リアライズでも「社内で更新できる体制を整えたい」というお客様に多く導入しています。
WooCommerceを利用すれば、ECサイトにも容易に拡張できます。
また、SEO対策・アクセス解析・多言語化など、マーケティング連携も容易。
さらに、世界中で広く使われているため、セキュリティの脆弱性が発見されてもパッチが提供され、コミュニティによる監視体制もあります。
プラグイン管理やアップデートを適切に行うことで、高い堅牢性を維持できます。
WordPressは、スピード感と自由度を両立したい企業に最適なCMSです。
5つの比較ポイントで見る、両CMSの違い
以下の5項目で、両CMSの性格がはっきり分かれます。
| 比較項目 | Movable Type | WordPress |
|---|---|---|
| 更新方式 | 静的(HTML出力) | 動的(PHP実行) |
| セキュリティ | 管理環境と公開環境の分離で高セキュリティ | 充実したセキュリティ機能と世界的なサポートコミュニティ |
| 拡張性 | 安定した構造だが限定的 | プラグインで柔軟に拡張 |
| コスト | 商用ライセンス費用が発生 | 無料で導入可能 |
| 運用体制 | 外部委託・管理者中心 | 社内運用・マーケ重視向き |
セキュリティについて補足
どちらのCMSも、適切な運用を行えば十分に安全です。
Movable Typeは管理画面と公開サーバーを物理的に分離できるため、万一の侵入リスクも最小限に抑えられます。
WordPressは大規模なオープンソースコミュニティによる充実したセキュリティ対応が強みです。
重要なのは、定期的な更新、強固なパスワード設定、不要なプラグインの削除など、基本的なセキュリティ対策を怠らないことです。
CMS選びのポイントは、「どちらが多機能か」ではなく、"サイトの目的"と"更新体制"に合っているかです。
たとえば、官公庁や大学など、長期的に安定稼働が求められるサイトではMovable Typeが有利。
一方、キャンペーンや商品追加が頻繁なECサイトではWordPressが活躍します。
CMSを選ぶ前に整理しておくべき3つの視点
CMSを導入する前に、次の3点を明確にしておくと失敗が少なくなります。
誰が更新するのか?
社内の広報担当者か、外部の制作会社か。更新主体によってCMSの向き・不向きは変わります。
Movable Typeは外部更新や運用代行向き、WordPressは社内運用に向いています。
どんな情報を発信するのか?
「月1回のニュース更新」なのか、「毎週コンテンツを追加するメディア運用」なのかで選定は異なります。
更新頻度が低ければ静的CMSが有利、高ければ動的CMSが適しています。
セキュリティやガイドライン要件はあるか?
官公庁や上場企業の場合、CMS選定にはセキュリティ基準やアクセシビリティ対応が含まれます。
このようなケースでは静的CMSが選ばれることが多いです。
CMS選びは"機能比較"ではなく、自社の体制と目的の棚卸し作業です。
リアライズが考える"適材適所"のCMS選定
リアライズでは、「CMSはツールではなく"仕組み"である」と考えています。
Movable TypeもWordPressも得意分野が異なり、それぞれの強みを最大限に活かす設計が大切です。
たとえば、官公庁・自治体・大学などの案件ではMovable Typeを選定し、 セキュリティと安定性を最優先した構成を採用します。
一方で、ECサイトや採用サイトなどスピード重視の案件ではWordPress+WooCommerceを導入し、 マーケティング機能や運用効率を高める仕組みを構築しています。
さらに、必要に応じてハイブリッド構成(MT+WP連携)も可能。
広報ページはWordPressで運用しつつ、基幹情報はMovable Typeで管理するなど、 サイトの性格に応じた最適解を設計します。
まとめ:迷ったら"運用"を基準に選ぶ
CMSの選定は、単に「人気」「機能」だけで決めるものではありません。最も大切なのは、運用体制と目的に合っているかです。
Movable Typeは堅牢で長期運用に適し、WordPressは拡張的でスピード感に優れています。
どちらを選んでも、リアライズでは設計段階から保守・運用までワンストップでサポート。
公開後も安心して使い続けられる体制を整えています。
CMS選定でお悩みの方は、ぜひ一度リアライズへご相談ください。
株式会社リアライズでは、ホームページ制作を随時承っております!
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まずはお気軽にご相談ください。